青森県の妖怪・怪談伝承 7選
青森県に古くから伝わる妖怪・怪談・伝説のスポットを、出典つきで紹介する。気になる伝承は「夜の地図」で実際の場所をたどってみよう。
うとうのりょうしのぼうれい
善知鳥の猟師の亡霊
陸奥の外ヶ浜で善知鳥という海鳥を獲って暮らした猟師は、親鳥の「うとう」という呼び声を真似て雛を捕ったため、死後にその罪業で苦しむ亡霊となった。諸国を行脚する僧の前に現れ、故郷に残した妻子へ形見を届けてほしいと泣いて頼む姿を、室町時代の謡曲「善知鳥」が描く。舞台とされる青森市安方の善知鳥神社は青森市発祥の地と伝わる古社で、境内に謡曲ゆかりの碑が立つ。
出典・伝承元: 謡曲『善知鳥』・善知鳥神社の社伝
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おそれざんししゃのつどうれいじょう
恐山 死者の集う霊場
宇曽利山湖を囲む外輪山一帯の霊場で、貞観年間に慈覚大師円仁が開いたと伝わる日本三大霊場の一つ。硫黄の煙が漂う荒涼とした岩場は地獄に、白砂の湖畔は極楽にたとえられ、下北の人々は「死者の魂はお山に集まる」と信じてきた。夏の大祭ではイタコの口寄せに故人との再会を求める人が列を作り、無数の風車と積み石が亡き人への祈りを今に伝えている。
出典・伝承元: 恐山菩提寺の縁起・下北地方の口碑
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おにざわのおにがみさま
鬼沢の鬼神様
岩木山麓の赤倉に棲む鬼と相撲を取って親しくなった農夫・弥十郎が、村の水不足を打ち明けると、鬼はたちまち沢から水を引く堰を築いてくれたという。以来この地は日照りにも強い豊かな田となり、村人は恩人の鬼を鬼神様として祀った。鬼沢の鬼神社では節分に「鬼は内」と唱える家もあり、扁額の「鬼」の字は角を表す上の点を欠く。退治されない、村を助ける鬼の伝承として名高い。
出典・伝承元: 鬼神社の社伝・弘前市に伝わる鬼神伝説
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くどじのおしらさま
久渡寺のオシラサマ
昔、娘が飼い馬と夫婦になり、怒った父が馬を殺すと、娘は馬の首に乗って天へ昇りオシラサマという神になったと伝わる。この東北の家の神は、津軽では久渡寺が信仰の中心で、毎年五月十五・十六日の大祭には、津軽一円から布を重ね着た神像が本堂に集まるオシラ講が営まれる。この習俗は国の選択無形民俗文化財に選ばれている。
出典・伝承元: 久渡寺の縁起・国選択無形民俗文化財「久渡寺のオシラ講の習俗」
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すぎさわむらのとしでんせつ
杉沢村の都市伝説
青森市郊外の山中に、地図からも行政記録からも消された廃村・杉沢村があるという都市伝説。かつて村で惨劇が起き存在ごと隠されたとされ、「ここから先へ立ち入る者、命の保証はない」という看板や朽ちた鳥居の噂が語られた。平成12年頃にインターネット掲示板とテレビ番組を通じて全国へ広まったが、モデルとなる実在の村や事件は確認されておらず、平成が生んだ代表的な創作怪談とされる。
出典・伝承元: 平成12年前後に流布したインターネット上の都市伝説
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とわだこのはちろうたろうとなんそのぼう
十和田湖の八郎太郎と南祖坊
秋田のマタギだった八郎太郎は禁を破って岩魚を食らい、龍と化して十和田湖の主となった。熊野で修行を積んだ僧・南祖坊は「鉄の草鞋の緒が切れた地に住め」との神託を受けてこの湖に至り、八郎太郎と七日七夜の激闘を繰り広げる。敗れた八郎太郎は湖を追われて八郎潟の主になったと伝わり、勝った南祖坊は湖畔休屋の十和田神社に祀られる。青森・秋田にまたがる三湖伝説の中心である。
出典・伝承元: 三湖伝説(『十和田山神教記』等)・十和田神社の社伝
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はちのへのめどつ
八戸のメドツ
八戸周辺では河童をメドツと呼び、川辺で遊ぶ子どもを水へ引き込むと恐れられてきた。南部一之宮・櫛引八幡宮には、左甚五郎と伝わる名工が社殿造営の折に出た木屑を川へ流したところ、木屑が命を得てメドツになったという伝承が残る。境内の池のほとりにはメドツの像が据えられ、かつて恐れられた河童は今では社を守る存在として参拝者に親しまれている。
出典・伝承元: 櫛引八幡宮の伝承・南部地方の口碑
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