ヒャッキマップ

日本の妖怪・怪談伝承を、夜の地図で巡る

北海道の妖怪・怪談伝承 9選

北海道に古くから伝わる妖怪・怪談・伝説のスポットを、出典つきで紹介する。気になる伝承は「夜の地図」で実際の場所をたどってみよう。

あっころかむい

アッコロカムイ

海の怪 📍 虻田郡豊浦町 礼文華 噴火湾沿岸 🕰 不詳(アイヌ口承) 怖さ 🏮🏮🏮🏮
昔、レブンゲ(礼文華)の村に山から巨大な蜘蛛ヤウシケプが下りて家々を潰し、困り果てた人々の祈りを聞いた海の神が、これを海へ引き取って巨大な蛸アッコロカムイに変えたという。体は一面赤く、現れると海も空も赤く染まり、舟も鯨も丸のみにするため、漁師たちは沖が赤らむと網を上げて逃げ帰ったと伝わる。噴火湾(内浦湾)一帯で畏れ敬われた海の神の伝承である。
出典・伝承元: アイヌの口承(J.バチェラーらの採録)
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かむいしゅとうのろうば

カムイシュ島の老婆

その他の妖怪 📍 川上郡弟子屈町 摩周湖 カムイシュ島 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮
コタン同士の争いに敗れた老婆が孫とはぐれ、探しさまようすえに摩周湖畔へたどり着いた。摩周岳の神に一夜の宿を許されたが、疲れ果てて動けぬまま孫を待ち続け、ついに湖中の小島カムイシュになったと伝わる。人が湖を訪れると、老婆は孫が来たかと喜んで涙を流し、それが摩周湖の霧や雨になるのだという。晴れた湖面を見ると婚期が遅れるという俗信も、この伝説とともに語られる。
出典・伝承元: 弟子屈町・摩周湖観光協会が紹介するアイヌの口承
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かむいみさきのちゃれんか

神威岬のチャレンカ

幽霊・怨霊 📍 積丹郡積丹町 神威岬 🕰 平安時代末(伝) 怖さ 🏮🏮🏮
奥州から北へ逃れた源義経を慕うアイヌの娘チャレンカは、後を追って神威岬にたどり着いたが、義経の舟はすでに沖の彼方だった。悲嘆した娘は、女を乗せた舟がここを過ぎれば覆るだろうと言い残して海に身を投げ、その身は岬の先に立つ神威岩になったと伝わる。以後、難船を恐れてこの岬は長く女人禁制とされ、明治になるまで女性は先端に立ち入れなかった。
出典・伝承元: 積丹に伝わる義経伝承(現地口碑・観光協会の紹介)
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くっしゃろこのくっしー

屈斜路湖のクッシー

都市伝説 📍 川上郡弟子屈町 屈斜路湖 🕰 昭和48年頃 怖さ 🏮🏮
昭和40年代後半、屈斜路湖で黒い背中の巨大な生き物が泳いでいたという目撃談が相次ぎ、ネス湖のネッシーにちなんでクッシーと名付けられた。昭和48年には約40人が同時に目撃したと報じられ、全国的なブームを呼んだ。正体は大魚や波の見間違いともいわれるが、いまも湖畔にはクッシー像が立ち、町のマスコットとして親しまれている。
出典・伝承元: 昭和48年以降の目撃報道・弟子屈町の観光紹介
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くんぬいのかいちょうふり

国縫の怪鳥フリ

狐狸・獣の怪 📍 山越郡長万部町 国縫 国縫川 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮🏮🏮
片翼だけで七里もあるという巨鳥フリが、噴火湾に注ぐ国縫川のほとりに棲みついたと伝わる。暗雲とともに飛来して羽ばたきで暴風雨を巻き起こし、翼が雨雲のように空を覆って大地は何日も暗くなり、魚も家畜も人も多く死んだという。国縫の地名をアイヌ語のクンネ(暗い)に結び、フリの影で暗くなった土地と説く地名説話としても語られる。
出典・伝承元: 更科源蔵・渡辺茂『北海道の伝説』ほかアイヌの口承記録
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じょうざんけいかっぱぶちのかっぱ

定山渓かっぱ淵の河童

河童・水の怪 📍 札幌市南区 定山渓温泉 かっぱ淵(二見公園付近) 🕰 明治時代 怖さ 🏮🏮
明治の頃、豊平川のこの淵で釣りをしていた美青年が、突然水中へ引き込まれて姿を消した。悲しむ父の夢枕にやがて青年が現れ、河童の妻と子に囲まれて楽しく暮らしていると告げたと伝わる。以来ここはかっぱ淵と呼ばれ、定山渓温泉は河童を街のシンボルとして親しんできた。温泉街には多くの河童像が立ち、かっぱ大王を祀る祭りも続いている。
出典・伝承元: 定山渓温泉の伝承(定山渓観光協会の紹介)
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ところのころぽっくる

常呂のコロポックル

その他の妖怪 📍 北見市 常呂町栄浦 常呂遺跡(ところ遺跡の森) 🕰 不詳(アイヌ口承) 怖さ 🏮
アイヌの口承には、フキの葉の下に隠れるほど小さな人々コロポックル(蕗の下の人)が登場する。アイヌより先にこの地方に住み、夜ひそかに獲物や品物を置いていく心優しい隣人だったが、若者が非礼を働いたため怒って去ったと伝わる。オホーツク海を望む常呂の砂丘には二千を超える竪穴住居跡が残り、道東や千島ではこうした竪穴の窪みを小人たちの住まいの跡とみる言い伝えが語られ、明治には学者たちのコロポックル論争も巻き起こした。
出典・伝承元: アイヌの口承(明治期以降の伝説集に採録)
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びらとりのよしつねほっこうでんせつ

平取の義経北行伝説

その他の妖怪 📍 沙流郡平取町 本町 義経神社 🕰 江戸時代 怖さ 🏮
義経は衣川で死なず、ひそかに北へ落ちのびて蝦夷地へ渡った——江戸時代に広まった義経北行伝説の到達点のひとつが平取である。この地の義経はアイヌの人々に農耕や舟づくりを教え、ハンガンカムイと敬われたと語られる。寛政11年(1799)には幕吏近藤重蔵が義経の神像を奉じて義経神社が創建され、判官びいきが生んだ壮大な伝説を今に伝えている。
出典・伝承元: 義経神社社伝・近世の義経入夷伝説
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へいしいわとおりいばば

瓶子岩と折居姥

その他の妖怪 📍 檜山郡江差町 鴎島 瓶子岩 🕰 鎌倉時代 怖さ 🏮
鎌倉の頃、江差の浜に住んだ折居姥という予言する老婆が、鴎島で翁神から小さな瓶を授かり、中の水を海に注ぐとニシンの大群が押し寄せたという。投げた瓶は海中で岩と化し、瓶子岩と呼ばれて今もかもめ島の浜辺に立つ。姥を祀ったのが北海道最古と伝わる姥神大神宮の始まりとされ、毎年夏のかもめ島まつりでは瓶子岩の大しめ縄が掛け替えられる。
出典・伝承元: 姥神大神宮の社伝・江差町の観光資料
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