ヒャッキマップ

日本の妖怪・怪談伝承を、夜の地図で巡る

鹿児島県の妖怪・怪談伝承 9選

鹿児島県に古くから伝わる妖怪・怪談・伝説のスポットを、出典つきで紹介する。気になる伝承は「夜の地図」で実際の場所をたどってみよう。

あまみのけんむん

奄美のケンムン

その他の妖怪 📍 奄美市 名瀬(奄美大島) 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮🏮
奄美大島のガジュマルの古木には、ケンムンと呼ばれる毛むくじゃらの精霊が棲むという。河童のように頭に皿があり、相撲を挑んでは人を投げ、目を突く悪戯をするが、漁を手伝い魚をくれることもある。宿り木を切ると高熱や眼病の祟りがあると恐れられ、今も木を切る前に断りを入れる人がいるという。島の森への畏れをそのまま形にしたような存在である。
出典・伝承元: 奄美大島の口碑(恵原義盛『奄美のケンモン』ほか)
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いけだこのいっしー

池田湖のイッシー

都市伝説 📍 指宿市 池田湖 🕰 昭和53年頃 怖さ 🏮🏮
昭和53年9月、池田湖の湖面を黒い背のようなものが移動するのを住民約20人が同時に目撃し、「イッシー」と名付けられて全国に報じられた。九州最大のカルデラ湖には体長2メートル近い大ウナギが実際に生息し、正体説の一つとなっている。湖畔にはイッシー像が立ち、ネス湖のネッシーに連なる湖の謎の生物として、今も指宿観光の顔であり続けている。
出典・伝承元: 昭和53年の目撃報道・指宿市の観光紹介
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おおいしひょうろくとよしののきつね

大石兵六と吉野の狐

狐狸・獣の怪 📍 鹿児島市 吉野町 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮
江戸時代の薩摩藩士・毛利正直が著した『大石兵六夢物語』は、豪傑を自任する若侍・兵六が、人を化かす吉野原の狐を退治に出かける郷土文学の傑作である。狐は美女や一つ目小僧、火の玉に次々と化けて兵六を散々に翻弄し、その慌てぶりが薩摩言葉の語り口とともに笑いを誘う。舞台の吉野台地は鹿児島市街の北にあり、物語は銘菓「兵六餅」の名の由来にもなった。
出典・伝承元: 毛利正直『大石兵六夢物語』
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きもつきのいったんもめん

肝付の一反木綿

その他の妖怪 📍 肝属郡肝付町 新富(旧高山町) 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮🏮
夕暮れの空を、一反(約10メートル)の白い木綿がひらりと飛び、人の首に巻きついたり顔を覆ったりして苦しめるという。大隅の高山地方に伝わる妖怪で、遅くまで外で遊ぶ子どもは「一反木綿が出るぞ」と戒められた。漫画に描かれて全国区の人気者になったが、伝承のふるさとはこの肝付の里であり、町では特産品や催しの題材として親しまれている。
出典・伝承元: 大隅・高山地方の口碑
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しもこしきじまのとしどん

下甑島のトシドン

📍 薩摩川内市 下甑町手打(下甑島) 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮🏮
大晦日の夜、下甑島の集落には長い鼻と大きな口の面をつけた来訪神トシドンが現れる。首のない馬に乗って空から降り、家々を訪ねては子どもの一年の行いを言い当てて叱り、良い子になる約束と引き換えに大きな年餅を背負わせて帰っていく。この餅で子どもは一つ歳をとるという。国の重要無形民俗文化財で、ユネスコ無形文化遺産「来訪神」の一つにも登録されている。
出典・伝承元: 甑島の年中行事(国指定重要無形民俗文化財)
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せんがんえんのねこがみ

仙巌園の猫神

狐狸・獣の怪 📍 鹿児島市 吉野町 仙巌園 猫神神社 🕰 安土桃山時代(文禄・慶長の役) 怖さ 🏮
文禄・慶長の役に出陣した島津義弘は、七匹の猫を戦場へ連れて行き、その瞳孔の開き具合で時刻を計ったと伝わる。異国の戦場を生き延びて帰った二匹は「時の神」として祀られ、島津家別邸・仙巌園の一角に建つ猫神神社に鎮まることになった。猫を神と祀る全国でも珍しい社で、今では愛猫の健康や長寿を願う参拝者が絶えない。戦国の逸話がそのまま縁起物になった、猫好きの聖地である。
出典・伝承元: 仙巌園・猫神神社の由緒
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せんだいがわのがらっぱ

川内川のガラッパ

河童・水の怪 📍 薩摩川内市 川内川流域 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮
薩摩・大隅では河童をガラッパと呼ぶ。手足がひょろりと長く、座ると膝が頭より高くなる姿で、春は川へ、秋は山へと棲み処を移すという。ヒョーヒョーという鳴き声は聞こえても姿は見えず、相撲好きで胡瓜に目がないのは各地の河童と同じである。川内川の流域には淵ごとに伝承や祠が残り、薩摩川内市はガラッパ公園を設けるなど水辺の隣人として親しんでいる。
出典・伝承元: 薩摩地方の口碑
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ながさきばなのりゅうぐうでんせつ

長崎鼻の竜宮伝説

海の怪 📍 指宿市 山川岡児ヶ水 長崎鼻 龍宮神社 🕰 不詳 怖さ 🏮
薩摩半島の最南端に突き出す長崎鼻は、浦島太郎が亀を助け、竜宮へと旅立った浜と伝えられる。岬には乙姫すなわち豊玉姫を祀る龍宮神社が建ち、貝殻に願いごとを書いて奉納する風習で知られる。一帯は竜宮城を思わせる海の色と秀麗な開聞岳の眺めから「竜宮鼻」とも呼ばれ、砂浜には今もウミガメが産卵に上がる。昔話の海の異界を、実際の岬の風景に重ねて楽しめる伝承地である。
出典・伝承元: 龍宮神社の由緒・指宿市の観光資料
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やくしまのやまひめ

屋久島の山姫

山の怪 📍 熊毛郡屋久島町 屋久島山中(宮之浦岳山系) 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮🏮🏮
屋久杉の茂る深い山には、緋の袴や十二単をまとった美しい山姫が現れるという。出会った者へ山姫はにっこりと笑いかけ、つられて笑い返せばたちまち血を吸われて命を落とす。助かるには相手より先に笑うか、笑わずにじっと目を見据えるほかないと伝えられた。山仕事に入る島人たちが語り継いだ戒めの怪異であり、岳参りの信仰が息づく屋久島の、山そのものへの畏れを色濃く映している。
出典・伝承元: 屋久島の民話・屋久島町の郷土資料
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