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日本の妖怪・怪談伝承を、夜の地図で巡る

神奈川県の妖怪・怪談伝承 10選

神奈川県に古くから伝わる妖怪・怪談・伝説のスポットを、出典つきで紹介する。気になる伝承は「夜の地図」で実際の場所をたどってみよう。

あしのこのくずりゅう

芦ノ湖の九頭龍

龍・大蛇 📍 足柄下郡箱根町 元箱根 九頭龍神社本宮 🕰 奈良時代 怖さ 🏮🏮
奈良時代、芦ノ湖には九つの頭を持つ毒龍が棲み、嵐を起こしては村に娘の人身御供を求めたという。天平宝字元年、箱根神社を開いた万巻上人が湖中に石壇を築いて祈り続けると、龍は悔い改めて湖の守護神・九頭龍大明神となった。湖畔の森に鎮座する九頭龍神社本宮はこの龍を祀り、毎年の湖水祭では今も湖心に供物を沈めて龍神を慰める。
出典・伝承元: 箱根神社の縁起・社伝
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えのしまのごずりゅうとべんざいてん

江の島の五頭龍と弁財天

龍・大蛇 📍 藤沢市 江の島 江島神社 🕰 欽明天皇13年(552年)と伝わる 怖さ 🏮🏮
鎌倉の深沢に棲む五頭龍は、洪水を起こし子供をさらう悪龍だった。あるとき海が鳴動して一夜のうちに島が湧き出し、天女が舞い降りた。龍は天女に求婚するが断られ、悪行を悔い改めると誓ってようやく夫婦となり、最後は山と化して村を守ったという。天女を祀るのが江島神社の弁財天、龍を祀るのが対岸の龍口明神社で、今も一対で信仰される。
出典・伝承元: 『江嶋縁起』
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おきくづかのおきく

お菊塚のお菊

幽霊・怨霊 📍 平塚市 紅谷町 お菊塚(紅谷町公園) 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮
怪談「番町皿屋敷」で井戸から皿を数えるお菊は、平塚宿の宿役人・眞壁氏の娘だったと伝わる。江戸で奉公中に家宝の皿を紛失した咎で手討ちにされ、遺骸は故郷の平塚へ送られて葬られたという。平塚駅近くの紅谷町公園には「お菊塚」と刻まれた自然石が残り、毎夜「一枚、二枚」と皿を数える幽霊のふるさととして語られている。
出典・伝承元: 平塚市の郷土資料・現地の案内板
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おさんのみやのひとばしらおさん

お三の宮の人柱お三

幽霊・怨霊 📍 横浜市 南区 お三の宮日枝神社 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮
江戸前期、横浜の入海を埋め立てる吉田新田の工事は、潮除の堤が幾度も波に崩れて難航した。このとき、お三という女性が自ら人柱となって海に身を沈め、以後工事は成し遂げられたと伝わる。新田の鎮守として建てられた日枝神社は、彼女を偲んで「お三の宮」と呼ばれるようになった。横浜の街の礎に一人の女の犠牲を語り継ぐ開拓期の伝承である。
出典・伝承元: お三の宮日枝神社の社伝・横浜市南区の郷土資料
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かっぱどっくり

河童徳利

河童・水の怪 📍 茅ヶ崎市 西久保 小出川 大曲橋付近 🕰 江戸時代 怖さ 🏮
馬方の五郎兵衛が川で馬を洗っていると、河童が馬を水中へ引き込もうとして逆に捕まった。命乞いする河童を許してやると、その晩、礼にと徳利が届けられた。底を叩けばいくらでも酒の湧く不思議な徳利だったが、五郎兵衛は仕事も忘れて酒浸りに。やがて己を恥じ、自ら徳利の酒を止めたと結ばれる。小出川の大曲橋のたもとは民話の発祥の地とされ、伝説を記した標識が立つ。
出典・伝承元: 茅ヶ崎市に伝わる民話(市博物館・観光協会が紹介)
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かまくらぐうのもりよししんのう

鎌倉宮の護良親王

幽霊・怨霊 📍 鎌倉市 二階堂 鎌倉宮 🕰 南北朝時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
建武の新政の立役者ながら足利尊氏と対立した護良親王は、鎌倉二階堂の土牢に幽閉され、建武2年の戦乱の中で刺客に暗殺された。『太平記』は、討たれてなお刀の切っ先を噛んで放さぬ首のすさまじい形相に、刺客が恐れをなして藪に捨てたと記す。明治に入り親王の御霊を祀る鎌倉宮が創建され、社殿の裏には幽閉の土牢と伝わる岩窟が残る。
出典・伝承元: 『太平記』
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けんちょうじはんそうぼうのてんぐ

建長寺半僧坊の天狗

天狗 📍 鎌倉市 山ノ内 建長寺 半僧坊 🕰 明治23年勧請(伝承は南北朝時代) 怖さ 🏮🏮
半僧坊大権現は、元から帰国する禅僧無文元選の船を嵐から守り、のちに弟子となった半僧半俗の老人が神になったものと伝わる。明治23年、建長寺の住職が霊夢を受けて静岡の奥山方広寺から鎌倉へ勧請した。境内最奥の山腹に社殿が建ち、参道の斜面には翼を広げた大小の天狗像が立ち並んで相模湾を見下ろす。火伏せ・厄除けの守り神として参拝が絶えない。
出典・伝承元: 方広寺・建長寺の半僧坊縁起
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さすけいなりのかくれざとのれいこ

佐助稲荷の隠れ里の霊狐

狐狸・獣の怪 📍 鎌倉市 佐助 佐助稲荷神社 🕰 平安時代末期 怖さ 🏮
伊豆に流されていた源頼朝の夢枕に、「鎌倉の隠れ里の稲荷」と名乗る白髪の翁がたびたび立ち、平家打倒の挙兵を促したという。天下を取った頼朝が探させると佐助ヶ谷の山中に小さな祠が見つかり、社殿を建てて祀ったのが佐助稲荷と伝わる。翁の正体は稲荷の霊狐とされ、「佐殿」と呼ばれた頼朝を助けたという社名の由来とともに、朱の鳥居と無数の白狐像が谷を埋める。
出典・伝承元: 佐助稲荷神社の社伝
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でいらぼっちのあしあと

でいらぼっちの足跡

山の怪 📍 相模原市 中央区 鹿沼公園 🕰 不詳 怖さ 🏮
相模原の台地には、でいらぼっちと呼ばれる巨人の伝承が残る。富士山を背負って運んできた巨人がひと休みしようと山を下ろすと、山に根が生えて動かなくなり、引き抜こうと両足で踏ん張った足の跡が窪んで水がたまり、淵野辺の鹿沼と菖蒲沼になったと伝わる。鹿沼は今も鹿沼公園の池として姿をとどめ、園内に伝説の案内が立つ。関東各地に分布するダイダラボッチ伝説の相模原版で、台地の起伏を巨人の仕業と見た素朴な地形譚である。
出典・伝承元: 相模原市の郷土資料(でいらぼっち伝説)
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どうりょうそんのてんぐ

道了尊の天狗

天狗 📍 南足柄市 大雄町 大雄山最乗寺 🕰 室町時代 怖さ 🏮🏮
応永年間、大雄山最乗寺の建立に怪力をふるって尽くした修験の僧・妙覚道了は、師の了庵慧明禅師が亡くなると「以後は山中にあって寺を守る」と誓い、火炎を背に天狗の姿へ化して谷へ飛び去ったと伝わる。以来、道了尊は寺の守護神として祀られ、境内には信者が奉納した巨大な高下駄が並ぶ。天狗信仰の霊場として今も参詣が絶えない。
出典・伝承元: 大雄山最乗寺の縁起
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