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日本の妖怪・怪談伝承を、夜の地図で巡る

京都府の妖怪・怪談伝承 13選

京都府に古くから伝わる妖怪・怪談・伝説のスポットを、出典つきで紹介する。気になる伝承は「夜の地図」で実際の場所をたどってみよう。

あだしののむえんぼとけ

化野の無縁仏

幽霊・怨霊 📍 京都市右京区 嵯峨鳥居本 化野念仏寺 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮
化野は鳥辺野・蓮台野と並ぶ京の葬送地で、かつて亡骸は野に置かれ、露と消えていった。空海が野ざらしの遺骸を弔って寺を開き、後に法然が念仏道場としたのが化野念仏寺と伝わる。明治期には付近に散らばっていた約八千体の石仏や石塔が集められ、本尊を囲む西院の河原となった。毎年8月の千灯供養では無縁仏に灯明が捧げられ、無常の地が無数の光に包まれる。
出典・伝承元: 化野念仏寺の寺伝・『徒然草』
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いちじょうもどりばしのきじょ

一条戻橋の鬼女

📍 京都市上京区 堀川下之町 一条戻橋 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
源頼光四天王の渡辺綱が夜更けにこの橋を渡ると、美しい女が家まで送ってほしいと声をかけた。馬に乗せた途端、女は恐ろしい鬼と化して綱の髻をつかみ、愛宕山へ飛び去ろうとしたが、綱は名刀髭切で鬼の腕を斬り落として難を逃れたという。戻橋の名は、僧浄蔵が父の棺をこの橋で蘇らせた故事にちなみ、この世とあの世の境として畏れられてきた。
出典・伝承元: 『平家物語』剣巻・『撰集抄』
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うじのはしひめ

宇治の橋姫

📍 宇治市 宇治蓮華 橋姫神社 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
嵯峨天皇の御代、嫉妬に狂ったある公卿の娘は、貴船の社に七日籠り「生きながら鬼にしてたまえ」と祈った。神託に従って髪を五つの角に結い、宇治川の瀬に二十一日浸ると、ついに生きながら鬼と化し、妬む相手や都の人々を次々と取り殺したという。宇治橋のたもとの橋姫神社は、この橋姫を橋の守り神として祀り、悪縁を断つ縁切りの神ともされる。
出典・伝承元: 『平家物語』剣巻・橋姫神社の社伝
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うらしまじんじゃのうらのしまこ

浦嶋神社の浦嶼子

海の怪 📍 与謝郡伊根町 本庄浜 浦嶋神社(宇良神社) 🕰 古代(風土記) 怖さ 🏮🏮
丹後国筒川の若者・浦嶼子は、釣り上げた五色の亀が美しい乙女に変じ、誘われるまま海のかなたの蓬莱山で三年を過ごした。故郷に帰ると地上では三百年が経っており、開けるなと渡された玉匣のふたを開くと、たちまち老人の姿になったという。浦島太郎の原話を伝える伊根町の浦嶋神社は浦嶼子を祭神とし、玉手箱と伝わる宝物を今に伝える。
出典・伝承元: 『丹後国風土記』逸文、浦嶋神社の社伝
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おいのさかのしゅてんどうじくびづか

老ノ坂の酒呑童子首塚

📍 京都市西京区 大枝沓掛町 老ノ坂峠 首塚大明神 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮
大江山で源頼光らに討たれた酒呑童子の首を都へ運ぶ途中、山城と丹波の境の老ノ坂まで来ると、首が岩のように重くなり動かなくなった。「罪深い鬼の首を都へ入れてはならぬ」という子安地蔵のお告げにより、首はこの峠に葬られたという。首塚大明神として祀られた鬼は、最期に改心したためか、首から上の病に霊験があると伝わる。
出典・伝承元: 首塚大明神の縁起、御伽草子『酒呑童子』
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おおえやまのしゅてんどうじ

大江山の酒呑童子

📍 福知山市 大江町 大江山(千丈ヶ嶽) 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
平安の都で貴族の姫が次々と消え、安倍晴明の占いにより大江山に棲む鬼王・酒呑童子の仕業と知れた。勅命を受けた源頼光と四天王は山伏に身をやつして鬼の岩屋に入り、神々から授かった毒酒を酌み交わして童子を酔わせ、その首を討ち取った。落ちた首はなお頼光の兜に噛みついたという。大江山の麓には鬼の岩屋や足跡と伝わる場所が点在し、鬼の博物館も建つ。
出典・伝承元: 『大江山絵詞』・御伽草子「酒呑童子」
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かなわのいのきじょ

鉄輪の井の鬼女

📍 京都市下京区 鍛冶屋町 鉄輪の井 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
夫に捨てられた女が、頭に鉄輪を載せて三本の蝋燭を灯し、貴船へ丑の刻参りを重ねて生きながら鬼になり、復讐を遂げようとした。しかし夫の依頼を受けた安倍晴明に調伏されて本懐を遂げられず、この井戸のかたわらで息絶えたと伝わる。謡曲「鉄輪」の舞台とされ、井戸の水を相手に飲ませると悪縁が切れるといわれて縁切りの信仰を集めた。
出典・伝承元: 謡曲『鉄輪』、下京区の史跡「鉄輪の井」の伝承
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きふねのうしのこくまいり

貴船の丑の刻参り

📍 京都市左京区 鞍馬貴船町 貴船神社 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
夫に捨てられた女が貴船明神に参籠し、鬼となって恨む相手を取り殺したいと祈った。謡曲「鉄輪」では、神託に従い頭に鉄輪を戴き三本の蝋燭を灯した女の呪いを、安倍晴明が祈祷で退ける。丑の刻に神木へ藁人形を打ち付ける呪詛の作法は、この伝承から広まったとされる。もとの丑の刻参りは心願成就の参詣であり、貴船神社は縁結びの神としても名高い。
出典・伝承元: 謡曲「鉄輪」・『平家物語』剣巻
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くらまてんぐとうしわかまる

鞍馬天狗と牛若丸

天狗 📍 京都市左京区 鞍馬本町 鞍馬寺(僧正ガ谷) 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮
幼くして鞍馬寺に預けられた牛若丸、後の源義経は、夜ごと僧正ガ谷に通い、鞍馬山の大天狗・僧正坊から剣術と兵法を授かったと伝わる。木の根が地を這う木の根道は、牛若丸が跳び回って修行した場所とされる。鞍馬山の天狗は数ある天狗の中でも筆頭格に数えられ、鞍馬寺には天狗の総帥ともいわれる護法魔王尊が尊天の一尊として祀られている。
出典・伝承元: 『義経記』・謡曲「鞍馬天狗」
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しょうこくじのそうたんぎつね

相国寺の宗旦狐

狐狸・獣の怪 📍 京都市上京区 相国寺門前町 宗旦稲荷社 🕰 江戸時代 怖さ 🏮
江戸の初め、相国寺の境内に棲む白狐は茶人・千宗旦に化け、茶会に現れては本人顔負けの見事な点前を披露した。僧と碁を打ち、寺の危機を知らせたともいわれ、正体が知れてからも人々に愛されたが、最期は猟師に撃たれた、井戸に落ちたなどと伝わる。相国寺の境内には、この狐を悼んで祀った宗旦稲荷社が今も静かに立っている。
出典・伝承元: 相国寺・宗旦稲荷社の伝承
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ぬえいけのぬえたいじ

鵺池の鵺退治

その他の妖怪 📍 京都市上京区 主税町 二条公園(鵺池) 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮
近衛天皇の御代、夜ごと黒雲が御所を覆い、不気味な鳴き声が帝を悩ませた。弓の名手源頼政が雲中に矢を放つと、猿の顔、狸の胴、虎の手足、蛇の尾を持つ怪物・鵺が落ちてきた。頼政が血の付いた鏃を洗ったのが、二条公園に残る鵺池だと伝わる。園内には鵺大明神の小さな祠が祀られ、退治されてなお祟りを恐れられた鵺を今も鎮めている。
出典・伝承元: 『平家物語』・鵺池碑(現地)
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ろくどうちんのうじのめいどがよいのいど

六道珍皇寺の冥途通いの井戸

幽霊・怨霊 📍 京都市東山区 小松町 六道珍皇寺 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮
平安初期の官人小野篁は、昼は朝廷に仕え、夜はこの寺の井戸から冥府に下り、閻魔大王の裁きを補佐したと伝わる。寺の建つ六道の辻は葬送地鳥辺野の入口にあたり、この世とあの世の境とされた場所である。境内には篁が冥途へ通ったと伝わる井戸が残り、盆には先祖の霊を「迎え鐘」の音で呼び戻す六道まいりの参詣者で賑わう。
出典・伝承元: 六道珍皇寺の寺伝・『江談抄』
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ろくどうのつじのゆうれいこそだてあめ

六道の辻の幽霊子育飴

幽霊・怨霊 📍 京都市東山区 轆轤町 六道の辻 🕰 江戸時代初期 怖さ 🏮🏮
慶長の頃、夜ふけの飴屋に毎晩一文銭で飴を買いに来る青白い顔の女がいた。銭の尽きた七日目の夜、店の者が後を追うと鳥辺野の墓地で姿が消え、土の中から赤子の泣き声がする。掘り返すと、身ごもったまま葬られた女が墓の中で産んだ子が、飴をなめて生きていた。あの世とこの世の境とされる六道の辻では、今もこの「幽霊子育飴」が売られている。
出典・伝承元: 京都の民話、みなとや幽霊子育飴本舗の由来書
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