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日本の妖怪・怪談伝承を、夜の地図で巡る

島根県の妖怪・怪談伝承 10選

島根県に古くから伝わる妖怪・怪談・伝説のスポットを、出典つきで紹介する。気になる伝承は「夜の地図」で実際の場所をたどってみよう。

あずきとぎばしのかい

小豆とぎ橋の怪

その他の妖怪 📍 松江市 北田町 普門院前(小豆とぎ橋跡) 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
松江の普門院近くにあった小豆とぎ橋では、夜な夜な小豆を研ぐ音がしたという。この橋で謡曲「杜若」をうたってはならないという禁忌があり、ある夜、豪胆な侍があえて歌って渡った。すると女が現れて文箱を差し出し、屋敷で開けると中には我が子の首が入っていたと伝わる。小泉八雲が書き残した松江の怪談である。
出典・伝承元: 小泉八雲『知られぬ日本の面影』
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いのめどうくつのよみのあな

猪目洞窟の黄泉の穴

幽霊・怨霊 📍 出雲市 猪目町 猪目洞窟 🕰 奈良時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
島根半島の漁港脇に口を開ける海蝕洞窟は、『出雲国風土記』に記された「黄泉の穴」とされる。夢でこの磯の窟のあたりに至った者は必ず死ぬと伝えられ、古くから人々に恐れられてきた。昭和23年の発掘では弥生から古墳時代の人骨や舟を使った棺が見つかり、ここが古代の葬地、すなわち死者の国への入口と観念された記憶を裏づけた。
出典・伝承元: 『出雲国風土記』出雲郡条、出雲市の文化財資料
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かかのくけどのさいのかわら

加賀の潜戸の賽の河原

海の怪 📍 松江市 島根町加賀 潜戸 🕰 奈良時代 怖さ 🏮🏮🏮
加賀の海に開く二つの洞窟のうち、新潜戸は女神が金の弓矢で射通して光り輝いたという佐太大神誕生の聖窟と『出雲国風土記』が伝える。一方の旧潜戸は幼くして死んだ子どもらが集う賽の河原とされ、無数の積み石の間に朝ごとに小さな濡れた足跡が残るという。小泉八雲が舟で訪れて書き残し、今も遊覧船が静かな洞窟へと人を運ぶ。
出典・伝承元: 『出雲国風土記』島根郡条、小泉八雲『知られぬ日本の面影』
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だいおうじのあめかいゆうれい

大雄寺の飴買い幽霊

幽霊・怨霊 📍 松江市 中原町 大雄寺 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮
毎夜遅く、青白い顔の女が一文銭を握って水飴を買いに来た。銭が尽きても哀れんで飴を渡した店主がある晩あとをつけると、女は大雄寺の墓地でかき消え、土の下から赤子の泣き声が聞こえた。掘り起こすと、葬られた身重の女のかたわらで、飴をなめて生き延びた赤子が見つかったという。松江に伝わる子育て幽霊譚で、小泉八雲が書き残した。
出典・伝承元: 小泉八雲『知られぬ日本の面影』、大雄寺の伝承
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たくひじんじゃのしんか

焼火神社の神火

海の怪 📍 西ノ島町 美田 焼火神社 🕰 鎌倉時代 怖さ 🏮
大晦日の夜、海中から神火が浮かび上がり、山腹の岩窟に入ったのが焼火権現の始まりと伝わる。承久の乱で隠岐に流された後鳥羽上皇が海上で嵐に遭った際にも、祈ると神火が現れて船を導いたという。以来、日本海を行き交う船人たちに海上安全の神と崇められ、岩窟に食い込むように建つ社殿は隠岐最古の神社建築として今も残る。
出典・伝承元: 焼火神社の社伝、西ノ島町の観光資料
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たくひやまのしんか

焼火山の神火

海の怪 📍 隠岐郡西ノ島町 美田 焼火山 🕰 鎌倉時代 怖さ 🏮🏮
隠岐・西ノ島の焼火山は島前カルデラの中央にそびえ、中腹の岩窟に焼火神社が鎮座する。海が荒れた夜には海上に神火が現れて船を港へ導いたと伝えられ、承久の乱で隠岐へ渡る後鳥羽上皇の御船も神火に導かれたと縁起は語る。江戸時代には北前船の船乗りが海上安全の守り神と仰いだ、龍灯伝説の霊山である。
出典・伝承元: 焼火神社縁起
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まつえじょうのひとばしらでんせつ

松江城の人柱伝説

幽霊・怨霊 📍 松江市 殿町 松江城 🕰 江戸時代初期 怖さ 🏮🏮🏮🏮
松江城の築城では天守台の石垣が幾度も崩れ落ち、人柱を立てることになったという。城下の盆踊りの輪から、踊りの上手な美しい娘が選ばれて石垣の下に埋められた。以来、城下で盆踊りをすると城山が鳴動するといわれ、松江では長く盆踊りが行われなかったと伝わる。小泉八雲も書き留めた、名城の礎に眠る娘の哀話である。
出典・伝承元: 松江の伝承(小泉八雲も記録)
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やまたのおろちとはっぽんすぎ

八岐大蛇と八本杉

龍・大蛇 📍 雲南市 木次町里方 八本杉 🕰 神代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
斐伊川の流域には八岐大蛇伝説が色濃く残る。高天原を追われた須佐之男命は、八つの頭と尾を持つ大蛇に娘たちを奪われ嘆く老夫婦と出会い、八塩折の酒に大蛇を酔わせて斬り伏せ、尾から草薙剣を得た。木次の八本杉は、斬り落とした八つの首を埋めてその上に杉を植えたと伝わる地で、今も玉垣の中に八本の杉が立つ。
出典・伝承元: 『古事記』『日本書紀』・雲南市の伝承地
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ゆのつおんせんのたぬき

温泉津温泉の狸

狐狸・獣の怪 📍 大田市 温泉津町 温泉津温泉 🕰 不詳 怖さ 🏮
石見銀山の外港として栄えた温泉津には、狸にまつわる開湯伝説がある。約千三百年前、傷ついた狸が岩陰の湯だまりで傷を癒やしているのが見つかり、湯の効能が広く知られるようになったと伝わる。世界遺産の一部となった今もレトロな温泉街には源泉そのままの共同湯が残り、湯を教えた狸はまちのシンボルとして親しまれる。
出典・伝承元: 温泉津温泉の開湯伝説(大田市の伝承)
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よもつひらさかといざなみ

黄泉比良坂と伊邪那美

幽霊・怨霊 📍 松江市 東出雲町揖屋 黄泉比良坂 🕰 神代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
死んだ妻伊邪那美を追って黄泉の国へ下った伊邪那岐は、変わり果てた姿を見て逃げ帰り、追っ手を桃の実で退けて千引の岩で坂を塞いだ。『古事記』が記す生と死の境・黄泉比良坂は東出雲町揖屋の伊賦夜坂に比定され、木立の中に石碑と塞の大岩が立つ。あの世とこの世の境目と伝えられる、日本神話屈指の伝承地である。
出典・伝承元: 『古事記』
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