ヒャッキマップ

日本の妖怪・怪談伝承を、夜の地図で巡る

徳島県の妖怪・怪談伝承 9選

徳島県に古くから伝わる妖怪・怪談・伝説のスポットを、出典つきで紹介する。気になる伝承は「夜の地図」で実際の場所をたどってみよう。

おおたにのあかでんちゅう

大谷の赤殿中

狐狸・獣の怪 📍 鳴門市大麻町大谷 🕰 江戸時代 怖さ 🏮
鳴門の大麻町大谷、旧板野郡堀江村に伝わる化け狸。赤い袖なし羽織「殿中」を着た幼子の姿で夜道に現れ、通行人に「負うてくれ」と執拗にせがむ。根負けして背負ってやると、喜んで背中から肩をぽんぽんと叩くだけで、悪さは何ひとつしないという。狸王国と呼ばれる阿波らしい、どこか憎めない妖怪として記録されている。
出典・伝承元: 阿波の狸伝承(笠井新也『阿波の狸の話』ほか)
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おまつだいごんげんのばけねこ

お松大権現の化け猫

狐狸・獣の怪 📍 阿南市 加茂町 お松大権現 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮
江戸の頃、加茂村の庄屋は凶作の年に田畑を担保に金を借り、返済しても証文を盾に土地を奪われた。夫の死後、妻お松は非道を訴え出たが裁きは金の力で覆らず、ついに直訴の罪で処刑される。するとお松の愛した三毛猫が化け猫となり、不正を働いた者たちに祟って家を絶やしたと伝わる。お松と猫を祀るお松大権現は「猫神さん」と呼ばれ、勝負事や受験の神として参拝が絶えない。
出典・伝承元: お松大権現の縁起(日本三大化け猫騒動の一つ)
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きんちょうだぬきとあわたぬきがっせん

金長狸と阿波狸合戦

狐狸・獣の怪 📍 小松島市 中田町 金長神社 🕰 江戸時代(天保年間) 怖さ 🏮🏮
天保の頃、小松島の染物屋・大和屋に助けられた狸の金長は、恩返しに奉公して家業を大いに栄えさせた。正一位を得るため四国狸の総大将・津田の六右衛門のもとで修行し、その婿にと望まれたが義理を立てて断り、ついに大戦となる。数百の狸が入り乱れた「阿波狸合戦」で金長は六右衛門を討つが自らも深手を負い、主人のもとへ戻って息絶えたという。中田町の金長神社に大明神として祀られる。
出典・伝承元: 阿波の狸伝承・講談『四国奇談実説古狸合戦』
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しょうさんじのだいじゃ

焼山寺の大蛇

龍・大蛇 📍 名西郡神山町 下分 焼山寺 🕰 平安時代(伝) 怖さ 🏮🏮🏮
四国霊場十二番・焼山寺の山には、火を吐いて全山を焼き尽くす大蛇が棲み、里人や巡礼を苦しめていたという。登拝した弘法大師は虚空蔵菩薩の力を借りて大蛇を岩窟に封じ込め、寺を開いたと縁起に伝わる。「一に焼山」とうたわれ遍路ころがしと恐れられた急坂の険しさと、山名・寺名の由来をともに物語る大蛇伝説である。
出典・伝承元: 焼山寺縁起(四国霊場第12番)
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じょうろくじのちてんじょう

丈六寺の血天井

幽霊・怨霊 📍 徳島市丈六町 丈六寺 🕰 安土桃山時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
天正9年、土佐の長宗我部元親は阿波の武将・新開道善を丈六寺の宴に招き、帰り際にだまし討ちで斬殺した。家臣もろとも斬られた血は縁側の板に染みつき、拭っても洗っても消えなかったため、供養として徳雲院前の廊下の天井に打ち上げられたと伝わる。板には今も血痕や手形が浮かび、「血天井」として訪れる者を戦慄させる。
出典・伝承元: 丈六寺の寺伝・徳島市の郷土資料
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たつえじのくろかみどう

立江寺の黒髪堂

その他の妖怪 📍 小松島市 立江町 立江寺 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
四国霊場十九番・立江寺は、罪を隠した者を見逃さぬ「阿波の関所寺」と呼ばれる。江戸の頃、夫を手にかけて男と逃げたお京が巡礼を装って参拝すると、たちまち黒髪が鐘の緒に巻き上げられ、髪ごと頭の皮が剥がれてようやく命を許されたという。お京は罪を悔いて尼となり、生涯を寺の近くで終えた。髪の絡んだ鐘の緒は境内の黒髪堂に今も納められる。
出典・伝承元: 立江寺の寺伝(四国霊場第19番)
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つるぎさんのせいひつでんせつ

剣山の聖櫃伝説

都市伝説 📍 三好市東祖谷 剣山 🕰 昭和初期 怖さ 🏮🏮
四国第二の高峰・剣山には、旧約聖書の失われた聖櫃「アーク」が埋まっているという壮大な伝説がある。昭和初期、研究家の高根正教らが山名や祭りの習俗をユダヤの伝承と結びつけて唱え、実際に発掘まで行われた。山頂近くには宝蔵石と呼ばれる謎めいた巨岩もあって想像をかき立て、今も「剣山ミステリー」として語られている。
出典・伝承元: 昭和初期の探査の記録・三好市の観光資料
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のかのいけのりゅうじん

野鹿池の龍神

龍・大蛇 📍 三好市 山城町 野鹿池山 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮
徳島と高知の境にそびえる野鹿池山の山頂近くには、鹿もおぼれるほどと言われた池が広がり、龍神が棲むと伝えられてきた。日照りの年には麓の村人が山道を登って池の水をかき回し、雨を祈ったという。池のほとりには龍神を祀る野鹿池神社の祠が立つ。児啼爺の里としても知られる山城谷の、山の水を司る龍の伝承である。
出典・伝承元: 山城谷の伝承(三好市観光資料)
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やましろだにのこなきじじい

山城谷の児啼爺

山の怪 📍 三好市 山城町上名 児啼爺石像 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮🏮
夜の山道のどこからか赤ん坊の泣き声が聞こえ、哀れんで抱き上げると石のように重くなってしがみつき、離れない。しまいには命を取られるともいう。徳島の山城谷に伝わるとされるこの怪は、柳田国男の『妖怪談義』で紹介されて全国に知られるようになった。伝承の地とされる三好市山城町には児啼爺の石像が立ち、里は「児啼爺の里」として妖怪文化を伝えている。
出典・伝承元: 山城谷の伝承・柳田国男『妖怪談義』
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