ヒャッキマップ

日本の妖怪・怪談伝承を、夜の地図で巡る

東京都の妖怪・怪談伝承 12選

東京都に古くから伝わる妖怪・怪談・伝説のスポットを、出典つきで紹介する。気になる伝承は「夜の地図」で実際の場所をたどってみよう。

いずおおしまのひいみさま

伊豆大島の日忌様

海の怪 📍 大島町 泉津 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
一月二十四日の夜、海の彼方から日忌様が渡って来るという言い伝えが伊豆大島の泉津に残る。昔、島人を苦しめた役人を討った二十五人の若者が舟で島を追われて海に消えたといい、その御霊がこの夜に島へ帰って来るとされる。人々は餅や灯明を供えて家にこもり、海を見ない習わしを守ってきた。伊豆諸島に広がる海難法師伝承の源流ともいわれ、島の大切な祭祀として静かに受け継がれている。
出典・伝承元: 伊豆大島泉津の日忌様伝承(伊豆諸島の民俗)
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おうじいなりのきつねのぎょうれつ

王子稲荷の狐の行列

狐狸・獣の怪 📍 北区 岸町 王子稲荷神社 🕰 江戸時代 怖さ 🏮
大晦日の夜、関東じゅうの狐が王子の榎の下に集まって装束を整え、狐火を連ねて関東稲荷総司の王子稲荷神社へ参詣したと伝わる。土地の人々は狐火の数や明るさで翌年の作柄を占ったといい、歌川広重もこの幻想的な光景を浮世絵に描いた。榎のあった地には装束稲荷が祀られ、大晦日には伝承にちなむ「王子狐の行列」が平成から続く行事として行われている。
出典・伝承元: 王子稲荷神社の伝承・歌川広重「王子装束ゑの木大晦日の狐火」
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おうじのきつねび

王子の狐火

狐狸・獣の怪 📍 北区 岸町 王子稲荷神社 🕰 江戸時代 怖さ 🏮
大晦日の夜、関東中の狐が王子稲荷へ参詣するため、近くの榎の下に集まって装束を整え、列をなして社へ向かったと伝わる。狐たちの灯す狐火の数で、土地の人々は翌年の作柄を占ったといい、その幻想的な光景は歌川広重の浮世絵にも描かれた。榎のあった場所には装束稲荷が祀られ、今は大晦日に狐の面をつけて練り歩く「王子狐の行列」が光景を再現している。
出典・伝承元: 王子稲荷神社の伝承・広重「王子装束ゑの木大晦日の狐火」
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かっぱばしのかっぱ

合羽橋の河童

河童・水の怪 📍 台東区 松が谷 曹源寺(かっぱ寺) 🕰 江戸時代(文化年間) 怖さ 🏮
文化年間、雨合羽商の合羽屋喜八は水はけの悪い一帯を救おうと、私財を投じて新堀川の掘割工事を始めた。難航する工事を見かねて、夜な夜な隅田川の河童が現れて手伝い、その姿を見た者は運が開けたと伝わる。喜八の墓のある曹源寺は「かっぱ寺」と呼ばれ、河童を河童大明神として祀る。かっぱ橋道具街の名の由来のひとつにも数えられる、江戸の人情河童譚である。
出典・伝承元: 曹源寺(かっぱ寺)の縁起・台東区の郷土資料
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きのくにざかのむじな

紀伊国坂のむじな

その他の妖怪 📍 港区 元赤坂 紀伊国坂 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮
夜更けの紀伊国坂で、堀端にうずくまって泣く女に商人が声をかけると、振り向いた顔には目も鼻も口もなかった。転がるように逃げ込んだ屋台の蕎麦屋に事の次第を訴えると、親父は「その顔はこんなだったかい」と、つるりとした無貌の顔を撫でてみせた——。小泉八雲が『怪談』に「むじな」として採録したのっぺらぼう譚の代表格で、正体は人を化かす貉とされた。
出典・伝承元: 小泉八雲『怪談』所収「むじな」
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すみだがわのうめわかでんせつ

隅田川の梅若伝説

幽霊・怨霊 📍 墨田区 堤通 木母寺 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮
京の公家の子梅若丸は人買いにさらわれて東国へ下り、病を得て隅田川のほとりで「尋ね来て問はば応へよ」と歌を残して息絶えたと伝わる。わが子を捜して旅を続け、半ば狂乱となった母は、一周忌の大念仏の夜に塚の前でわが子の亡霊とまみえるが、夜明けとともに姿は消えた。この悲話は能「隅田川」として名高く、塚を守る木母寺では今も梅若忌が営まれる。
出典・伝承元: 能「隅田川」・木母寺の縁起
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たいらのまさかどのくびづか

平将門の首塚

幽霊・怨霊 📍 千代田区 大手町 将門塚 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮🏮
天慶の乱で討たれた平将門の首は京で晒されたのち、故郷を目指して夜空を飛び、この地に落ちたと伝わる。首塚は古くから手厚く祀られてきたが、関東大震災後に取り壊そうとした際は関係者に不幸が相次ぎ、戦後の工事でも事故が続いたと語られて「祟る首塚」として畏怖された。高層ビル街の一角に今も塚が残り、供花と参拝が絶えない。
出典・伝承元: 将門塚の伝承・『太平記』ほか
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たかおさんのてんぐ

高尾山の天狗

天狗 📍 八王子市 高尾町 高尾山薬王院 🕰 室町時代以降 怖さ 🏮🏮
修験の霊山高尾山には、本尊飯縄大権現の眷属として天狗が棲むと伝わる。鼻高の大天狗と烏のくちばしを持つ小天狗が山を守り、悪しき者を懲らしめ、善き者を導くという。参道には、一夜のうちに根が曲がって道を譲ったと伝わる「たこ杉」や、天狗が枝に腰掛けて参詣者を見守るという「天狗の腰掛杉」の逸話も残る。薬王院の境内には大小の天狗像が立ち並び、今も天狗は山の守り神として信仰されている。
出典・伝承元: 高尾山薬王院の縁起・天狗伝承
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ばんちょうさらやしきのおきく

番町皿屋敷のお菊

幽霊・怨霊 📍 千代田区 五番町 帯坂 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
旗本の屋敷に仕えた女中お菊は、家宝の皿十枚のうち一枚を割った咎で斬られ、井戸に投げ込まれた。夜ごと井戸の底から「一枚、二枚…」と皿を数える声が響き、九枚まで数えては泣き崩れたという。皿屋敷の怪談は各地にあるが江戸番町のものが最も名高く、市ヶ谷駅近くの帯坂は、髪を振り乱したお菊が駆け下ったと伝わる坂である。
出典・伝承元: 江戸の怪談「番町皿屋敷」・千代田区帯坂の伝承
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ほんじょのあしあらいやしき

本所の足洗い屋敷

その他の妖怪 📍 墨田区 亀沢(旧本所三笠町) 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮
本所三笠町の旗本屋敷では、夜ごと天井を突き破って毛むくじゃらの巨大な足が現れ、「足を洗え」と声が響いたという。家人が丁寧に洗ってやると足は静かに引っ込むが、怠ると屋敷を揺らして暴れた。屋敷替えを願い出ても怪異は主についてきたと語られる。置いてけ堀と並んで本所七不思議に数えられる怪異で、今の墨田区亀沢のあたりが伝承の舞台とされる。
出典・伝承元: 本所七不思議(墨田区の郷土資料)
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ほんじょのおいてけぼり

本所の置いてけ堀

河童・水の怪 📍 墨田区 江東橋 錦糸堀公園 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮
本所の堀で夕暮れまで釣りをした帰り、水の中から「置いてけ、置いてけ」と呼ぶ声がする。恐ろしくなって魚籠を抱えて逃げ帰ると、中の魚は一匹残らず消えていたという。江戸の本所界隈で語られた「本所七不思議」の筆頭に数えられる怪異で、声の主は河童とも狸ともいわれる。錦糸町駅近くの錦糸堀公園には、伝承にちなむ河童像が立つ。
出典・伝承元: 本所七不思議(江戸の巷談)
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よつやかいだんとおいわいなり

四谷怪談とお岩稲荷

幽霊・怨霊 📍 新宿区 左門町 於岩稲荷田宮神社 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
夫に裏切られたお岩が幽霊となって祟る「四谷怪談」は、江戸随一の怪談として歌舞伎や講談で語り継がれてきた。その舞台とされる四谷左門町には、実在した田宮家の屋敷神を祀る於岩稲荷が残る。実際のお岩は夫とともに田宮家を再興した働き者の女性で、その信心にあやかろうと屋敷神が評判になったとも伝わる。今も歌舞伎の上演前には出演者が参拝に訪れる。
出典・伝承元: 於岩稲荷田宮神社の由緒(「東海道四谷怪談」の原伝承)
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