ヒャッキマップ

日本の妖怪・怪談伝承を、夜の地図で巡る

富山県の妖怪・怪談伝承 9選

富山県に古くから伝わる妖怪・怪談・伝説のスポットを、出典つきで紹介する。気になる伝承は「夜の地図」で実際の場所をたどってみよう。

あいもとばしのおみつとだいじゃ

愛本橋のお光と大蛇

龍・大蛇 📍 黒部市 宇奈月町下立 愛本姫社・愛本橋 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮
江戸の頃、黒部川の難所に架かる愛本橋のたもとの茶屋に、お光という娘がいた。川辺で出会った若者と恋仲になったが、その正体は黒部川の主の大蛇であった。お光は洪水から里を守るためみずから嫁ぎ、三年後に子を産みに戻ったが、産屋を覗かれて大蛇の姿を見られ、粽の作り方を伝えて姿を消したという。愛本姫社は今もお光を祀る。
出典・伝承元: 愛本姫社の縁起・黒部市宇奈月町の伝承
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うおづのしんきろうとりゅうぐう

魚津の蜃気楼と竜宮

海の怪 📍 魚津市 魚津港周辺(海の駅蜃気楼) 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮
春の魚津の沖には、あるはずのない楼閣や街並みが海上に浮かぶ。昔の人はこれを大蛤(蜃)が吐く息の描く幻、あるいは竜宮の都が海上に現れたものと考えた。江戸時代には加賀藩主も見物に訪れたと記録され、北陸道を行く旅人たちが紀行文にその不思議を書き残している。魚津は今も蜃気楼の名所として、春に多くの人を集める。
出典・伝承元: 江戸期の紀行・魚津の伝承
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さゆりのおんりょうとぶらりび

早百合の怨霊とぶらり火

幽霊・怨霊 📍 富山市 磯部町 一本榎(神通川沿い) 🕰 戦国時代(天正年間) 怖さ 🏮🏮🏮🏮
富山城主佐々成政は、不義の讒言を信じて寵愛する側室早百合を神通川畔の榎に吊るして手打ちにしたと伝わる。以来、嵐の夜には榎のあたりを「ぶらり火」と呼ばれる怪火が飛び、女の首が現れるとされ、木のまわりで「さゆり」と七度唱えると亡霊が現れるとも語られた。磯部の一本榎は代替わりしながら今も川辺に立ち、傍らに霊を慰める祠がある。
出典・伝承元: 『絵本太閤記』等の軍記・富山の伝承
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じごくのはりやまつるぎだけ

地獄の針山・剱岳

山の怪 📍 中新川郡上市町 剱岳 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮
立山信仰において剱岳は死者が堕ちる「針の山」とされ、登ってはならない山として恐れられた。立山曼荼羅には、剣の刃のような岩壁を亡者がよじ登らされる針山地獄として描かれている。明治40年に測量隊が登頂を果たすと、山頂から平安時代の錫杖頭と鉄剣が見つかり、はるか昔に修験者が登っていたことが分かって人々を驚かせた。
出典・伝承元: 立山曼荼羅・立山信仰
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たてやまじごくのもうじゃ

立山地獄の亡者

幽霊・怨霊 📍 中新川郡立山町 室堂 地獄谷 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
立山の噴煙上がる谷は、平安の昔から死者の魂が集まる「立山地獄」と信じられた。『今昔物語集』には日本中の罪人が死後この山に堕ちるといい、修行僧が地獄谷で亡き女の霊と出会い供養を頼まれる話が載る。硫黄の煙と熱泥の湧く地獄谷はその面影を今に伝え、立山信仰の霊場として畏れられてきた。
出典・伝承元: 『今昔物語集』・立山信仰の伝承
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たてやまのじごくだに

立山の地獄谷

幽霊・怨霊 📍 中新川郡立山町 室堂 地獄谷 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮🏮🏮
立山には地獄があり、罪を犯した者の魂は死後ここに堕ちると信じられた。『今昔物語集』には、立山の地獄で修行僧が若い娘の亡霊に出会い、供養を頼まれる話が載る。硫黄の煙が噴き上がり草木も生えない地獄谷の光景はまさに地獄絵図そのもので、立山曼荼羅を携えた宗教者たちがこの信仰を全国に広めた。
出典・伝承元: 『今昔物語集』・立山信仰
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たてやまのよげんじゅうくたべ

立山の予言獣クタベ

その他の妖怪 📍 中新川郡立山町 芦峅寺(立山山中) 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮
江戸後期、立山へ薬草採りに入った者の前に現れたという人面の獣。「これから疫病が流行るが、我が姿を見た者は難を逃れる」と告げたと伝わり、その姿を写した絵が刷り物となって各地に広まった。アマビエと同じ予言獣の仲間で、名はクタベ。売薬で知られる越中の霊山・立山に現れたところに、この怪の土地柄がにじむ。
出典・伝承元: 江戸後期の刷り物(予言獣資料)
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なわがいけのりゅうじん

縄ヶ池の竜神

龍・大蛇 📍 南砺市 蓑谷 縄ヶ池 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮
ムカデ退治で名高い俵藤太秀郷が、礼にと竜神から授かった竜の子を、水不足に苦しむ城端の山に放したのが縄ヶ池の始まりと伝わる。山中に掘った穴を縄で囲って祈ると、一夜にして水が湧き池になったという。池の主となった竜神は今も水を司るとされ、畔の縄ヶ池姫神社では麓の集落が太鼓や供物を捧げる祭りが毎年続けられている。
出典・伝承元: 城端の伝承・縄ヶ池姫神社の祭祀
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にんぎょうざんのゆきがたのしまい

人形山の雪形の姉妹

山の怪 📍 南砺市 五箇山 人形山 🕰 不詳(中世とも) 怖さ 🏮🏮
五箇山の奥にそびえる人形山には、春、手をつないだ二人の童女の形の雪形が現れる。昔、母の病の回復を山の権現に祈った幼い姉妹が、治ったお礼参りに雪の残る山へ登り、吹雪に呑まれて帰らなかったと伝わる。その姿が雪形になったといい、山名の由来となった。麓の五箇山では雪形を農事の目安としてきた。
出典・伝承元: 五箇山(旧平村)の伝承・南砺市の郷土資料
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