ヒャッキマップ

日本の妖怪・怪談伝承を、夜の地図で巡る

和歌山県の妖怪・怪談伝承 9選

和歌山県に古くから伝わる妖怪・怪談・伝説のスポットを、出典つきで紹介する。気になる伝承は「夜の地図」で実際の場所をたどってみよう。

あわしまじんじゃのにんぎょうくよう

淡嶋神社の人形供養

その他の妖怪 📍 和歌山市 加太 淡嶋神社 🕰 江戸時代 怖さ 🏮🏮🏮
医薬の神・少彦名命を祀る加太の淡嶋神社は、雛祭り発祥の地とも伝わる古社である。長く使われた人形には魂が宿るとされ、全国から供養を願う人形が奉納され、社殿を埋め尽くすように並ぶ無数の市松人形や雛人形の光景で知られる。三月三日には人形を白木の舟に乗せて海へ送り出す雛流しの神事が営まれ、人形の魂を丁重に還す信仰が今も続いている。
出典・伝承元: 淡嶋神社の社伝・雛流し神事
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くまのこどうのだる

熊野古道のダル

山の怪 📍 田辺市 中辺路町近露 熊野古道中辺路 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮🏮
熊野古道を歩く旅人に取り憑くと恐れられたのが、ダル(ヒダル神)である。取り憑かれると突然激しい飢えと脱力に襲われ、一歩も動けなくなるという。山中で行き倒れた人の霊ともいわれ、峠道に潜むとされた。米粒一つでも口にすれば離れるといわれ、旅人は弁当を食べ尽くさず、必ず一口分を残して歩いた。博物学者・南方熊楠も紀州のこの俗信を書き留めている。
出典・伝承元: 熊野地方の民間伝承・南方熊楠の随筆
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くまののやたがらす

熊野の八咫烏

その他の妖怪 📍 田辺市 本宮町 熊野本宮大社 🕰 神代(神武東征) 怖さ 🏮
神武天皇が東征のおり、険しい熊野の山中で道に迷うと、天照大神の遣わした三本足の烏・八咫烏が現れ、一行を大和まで導いたと記紀は伝える。以来、八咫烏は熊野の神使とされ、熊野本宮大社をはじめ熊野三山の随所にその姿が刻まれている。道を切り開く導きの神鳥として信仰され、現代ではサッカー日本代表の象徴としても広く知られている。
出典・伝承元: 『古事記』『日本書紀』・熊野本宮大社の伝承
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こうこくじのてんぐどう

興国寺の天狗堂

天狗 📍 日高郡由良町 門前 興国寺 🕰 安土桃山時代(伝承) 怖さ 🏮🏮
由良の興国寺は法燈国師が開いた禅寺で、径山寺味噌と醤油醸造の伝来にもゆかりが深い。天正の兵火で伽藍が焼け落ちた際、住職の祈りに応えて天狗が現れ、一夜のうちに堂舎を建て直したという伝説が残る。寺はこの天狗を鎮守として祀り、境内の天狗堂には日本有数の大きさとされる巨大な天狗面が納められ、毎年一月の天狗まつりでにぎわう。
出典・伝承元: 興国寺の寺伝・由良町観光協会の紹介
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こうやさんのみちびきのいぬ

高野山の導きの犬

狐狸・獣の怪 📍 伊都郡高野町 高野山 金剛峯寺 🕰 平安時代 怖さ 🏮
唐から帰った空海が密教の道場にふさわしい地を探していたとき、山中で黒と白の二匹の犬を連れた狩人に出会った。狩人は狩場明神の化身であり、放たれた二匹の犬が空海を導いて、深い山上の平地・高野山へと案内したと伝わる。空海はこの地に金剛峯寺を開き、真言密教の聖地とした。導きの犬は高野山開創の象徴として、今も絵図や像に描かれている。
出典・伝承元: 『金剛峯寺建立修行縁起』
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どうじょうじのあんちんときよひめ

道成寺の安珍と清姫

龍・大蛇 📍 日高郡日高川町 鐘巻 道成寺 🕰 平安時代(延長6年) 怖さ 🏮🏮🏮🏮🏮
熊野詣の若い僧・安珍に恋した清姫は、裏切られたと知って後を追い、怒りと執念のあまり大蛇へと姿を変えた。荒れる日高川を泳ぎ渡り、道成寺の釣鐘に隠れた安珍を鐘ごと焼き殺したと伝わる。日本屈指の執念の物語として『今昔物語集』に記され、能『道成寺』や歌舞伎に描かれ続けてきた。道成寺では絵巻を用いた絵解き説法で、今もこの悲劇が語られている。
出典・伝承元: 『今昔物語集』・道成寺縁起
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はしぐいいわとあまのじゃく

橋杭岩と天邪鬼

📍 東牟婁郡串本町 鬮野川 橋杭岩 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮
串本の海岸に一直線に並ぶ奇岩・橋杭岩には、弘法大師と天邪鬼の伝承が残る。大師が沖の紀伊大島まで一晩で橋を架けようと杭を立て始めると、負けを恐れた天邪鬼が鶏の鳴きまねをして夜明けと思い込ませた。大師が作業をやめたため、橋は杭だけが残ったという。約八百五十メートルにわたって並ぶ岩々は国の名勝天然記念物で、今も伝説とともに親しまれている。
出典・伝承元: 串本町に伝わる橋杭岩の伝説
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みょうほうざんのもうじゃのくまのもうで

妙法山の亡者の熊野詣

幽霊・怨霊 📍 東牟婁郡那智勝浦町 南平野 妙法山阿弥陀寺 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮🏮🏮
那智の奥にそびえる妙法山には、人が死ぬとその魂はまずこの山へ登り、阿弥陀寺の鐘をひとつ撞いてから奥の院に参るという「亡者の熊野詣」の伝承がある。深夜、撞く人もいないのに鐘がひとつ鳴れば、それは新しい亡者が着いた知らせだと語られた。この鐘は「亡者の一つ鐘」と呼ばれ、寺は今も死者の魂を迎える山として静かな信仰を集める。
出典・伝承元: 妙法山阿弥陀寺の寺伝・熊野地方の民俗資料
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りゅうじんおんせんのりゅうおう

龍神温泉の龍王

龍・大蛇 📍 田辺市 龍神村龍神 龍神温泉 🕰 奈良時代(伝承) 怖さ 🏮
日高川上流の渓谷に湧く龍神温泉は、役行者が見いだし、のちに弘法大師が難陀龍王の夢のお告げを受けて浴場を開いたと伝わる。龍王の名はそのまま温泉と村の名になり、湯を守る社も建てられた。江戸時代には紀州徳川家の藩主が湯治に通った御殿湯の歴史を持ち、日本三美人の湯のひとつとして今も山峡に湯けむりを上げている。
出典・伝承元: 龍神温泉の開湯縁起・田辺市の観光資料
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