ヒャッキマップ

日本の妖怪・怪談伝承を、夜の地図で巡る

山形県の妖怪・怪談伝承 8選

山形県に古くから伝わる妖怪・怪談・伝説のスポットを、出典つきで紹介する。気になる伝承は「夜の地図」で実際の場所をたどってみよう。

いぬのみやねこのみや

犬の宮・猫の宮

狐狸・獣の怪 📍 東置賜郡高畠町 高安 犬の宮・猫の宮 🕰 奈良時代 怖さ 🏮🏮🏮
和銅の頃、高安の村では都の役人に化けた古狸が重い年貢と人身御供を強いていたと伝わる。甲斐から連れてこられた二匹の犬が夜通し戦って狸を倒したが、自らも力尽き、村の鎮守・犬の宮に祀られた。のちに狸の怨念が大蛇となって現れると、観音の化身という猫がこれを倒して主を救い、向かいの猫の宮に祀られたという。犬と猫を祀る全国でも珍しい社で、今もペット供養に訪れる人が絶えない。
出典・伝承元: 犬の宮・猫の宮の社伝(高畠町観光協会)
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ぜんぽうじかいばみのいけのじんめんぎょ

善寳寺・貝喰の池の人面魚

都市伝説 📍 鶴岡市 下川 善寳寺 貝喰の池 🕰 平成2年頃 怖さ 🏮🏮
龍神信仰で知られる鶴岡の善寳寺の奥に、寺を守る龍神が棲むと伝わる霊池・貝喰の池がある。平成二年頃、この池の鯉の頭の模様が人の顔に見えると写真誌が報じると「人面魚」ブームが全国に広がり、池は連日の人だかりとなった。池の鯉は龍神の使いともいわれる放生の魚である。古くからの龍神信仰と新しい噂が重なって生まれた、平成を代表する都市伝説の舞台といえる。
出典・伝承元: 善寳寺の龍神伝承・平成2年頃の報道
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ちとせやまのあこやのまつ

千歳山の阿古耶の松

その他の妖怪 📍 山形市 平清水 千歳山 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮
国司の娘・阿古耶姫のもとへ、夜ごと緑の衣の若者が通った。若者は千歳山の老松の精で、橋の用材として伐られる身の上を告げて姿を消す。やがて伐り倒された大松は何人がかりでも動かず、姫が手を添えるとはじめて動いたという。姫は松の霊を弔って山に若松を植え、これが歌枕に詠まれた「阿古耶の松」と伝わる。山形市街を見下ろす千歳山の麓では、姫ゆかりの寺に代を継いだ松が育つ。
出典・伝承元: 山形市千歳山の伝承・歌枕「阿古耶の松」
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つるのおんがえし

鶴の恩返し(鶴女房)

狐狸・獣の怪 📍 南陽市 漆山 鶴布山珍蔵寺 🕰 江戸時代 怖さ 🏮
矢傷を負った鶴を助けた若者のもとへ美しい女が訪ね、女房となって「織る姿を決して見ないで」と機を織った。布は都で高く売れたが、約束を破って覗くと、わが羽根を抜いて織る鶴の姿があり、女は正体を明かして空へ去ったという。南陽市漆山はこの「鶴女房」の伝承地で、鶴布山珍蔵寺の山号は鶴の織った布を寺宝としたことに、寺名は鶴を助けた主人公の名に由来すると伝わる。里には鶴巻田や織機川など、伝説ゆかりの地名が今も残っている。
出典・伝承元: 鶴布山珍蔵寺の縁起・南陽市漆山の伝承
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はくりゅうこのはくりゅう

白竜湖の白竜

龍・大蛇 📍 南陽市 赤湯 白竜湖 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮
置賜盆地の底に太古の湖の名残をとどめる小さな白竜湖には、白竜の伝説が残る。赤湯の東正寺の若い僧に恋をした娘が、思いを遂げられぬまま湖に身を投げ、白竜と化して天へ昇ったといい、これが湖名の由来と伝わる。また日照りの年に旅の僧が三日三晩経を唱えると、白竜が巻物をくわえて昇天し雨を降らせたという話もあり、湖は竜神の棲む雨乞いの場として信仰されてきた。
出典・伝承元: 南陽市の郷土伝承・山形県の観光資料
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はぐろさんのおおてんぐきんこうぼう

羽黒山の大天狗・金光坊

天狗 📍 鶴岡市 羽黒町手向 羽黒山 🕰 中世 怖さ 🏮🏮
羽黒山は月山・湯殿山とともに出羽三山と呼ばれる修験の霊場で、山伏たちが険しい行を重ねてきた山である。ここには金光坊という大天狗が棲むと伝わり、全国の名高い天狗を数え上げる「天狗経」にもその名が見える。神通力を得た山伏の姿と重ねられた天狗は、杉並木の参道や国宝五重塔のあたりで修行者を見守るといい、羽黒の山伏たちは今も天狗の棲む山としてこの山を敬っている。
出典・伝承元: 「天狗経」・羽黒修験の伝承
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やまでらのやまのぬしばんじばんざぶろう

山寺の山の主・磐司磐三郎

山の怪 📍 山形市 山寺 宝珠山立石寺 🕰 平安時代 怖さ 🏮🏮
貞観二年、慈覚大師円仁がこの山を開こうとしたとき、山を治めていたのは狩人の主・磐司磐三郎だったと伝わる。大師の教えに心を打たれた磐三郎は殺生をやめて山を譲り、喜んだ山の獣たちが踊ったのが山寺に伝わるシシ踊りの起こりという。麓の立谷川のほとりには二人が語り合ったという対面石が残り、夏の磐司祭には今もシシ踊りが奉納される。マタギの祖ともされる山の主と開山の出会いを語る伝承である。
出典・伝承元: 立石寺の開山縁起・山寺の伝承
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よぞうぬまのだいじゃ

与蔵沼の大蛇

河童・水の怪 📍 最上郡鮭川村 与蔵峠 与蔵沼 🕰 不詳 怖さ 🏮🏮🏮
庄内へ越える峠の頂近くに、ブナ林に囲まれた与蔵沼が静まる。昔、峠で炭焼きをしていた与蔵という若者が、沢の魚を焼いて食べたところ猛烈な渇きに襲われ、水を飲み続けるうちに大蛇の姿となり、自らせき止めてつくった沼の主になったと伝わる。夜更けに迎えに来た母の呼びかけに一度だけ姿を見せ、二度と現れなかったという。沼と峠の名は今もこの与蔵にちなむ。
出典・伝承元: 鮭川村の郷土資料「村の伝説」
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